リモートで会議する会社を2社経験した管理人のヒロユキと申します。
具体的には2020年4月~5月を「顔出しなしのリモートワーク」を実施する会社、2020年6月~8月を「顔出しありのリモートワーク」を実施する会社で勤務していました。
リモートが意義については、Web上では顔出しをしたほうがいいという意見が多くあるように思えます。
例えばITmediaでは以下のように「顔出しをするべき」という記事を作成しています。
Web会議で「顔出しNG」の人が急増中? それでも、「顔出し」でWeb会議をすべき理由とは
https://www.itmedia.co.jp/business/articles/2005/05/news005.html
しかし、私は顔出しなしのほうが良いと考えています。
顔出しありとなしの両方を経験した私が、「顔出しなしがいい」と思った理由について記載をしていこうと思います。
単純に面倒くさい
リモートで仕事をするメリットの一つに、「部屋着のままで良い」「化粧をしなくても良い」「髭を剃らなくても良い」など身だしなみに時間を使わなくても良いというものがあります。
ですがリモートワークの会議を顔出しにした瞬間に、これらのメリットはなくなってしまい、身だしなみのために時間を使わなければいけなくなります。
「いやいや、リモートでも身だしなみはしっかりしとけよ」
といった意見もあるかと思いますが、そもそも身だしなみをしっかりしたところで仕事の生産性は向上しません。
仕事の生産性に紐付かないのであれば、会社から指示される意味はないと思いますので各人の判断に任せればいいのではないかなと思います。
少なくとも自分のように「面倒くさい」と思う人間がいるのですから、それを強制する意味はないと考えます。
プライベート空間である自室が映ってしまう
顔出しで会議をするということは、顔だけでなく自室まで仕事相手に公開をするということになります。
自分は狭い部屋に住んでいるし、仕事相手に趣味などを公開する気が一切ないので、そういったものが映らないように留意しています。
また、私は気をつけているのですが、他の方でうっかり家族が映ってしまったりすることがありました。
このように、意図せずにプライベートに干渉してしまうことがあるのも、私が顔出しが好きでない理由です。
(ただ、Web会議のソフトによっては、背景画像を差し替えることができるものもあります)
“誰が発言したか”ではなく意見に集中することができる
顔を合わせた会議とチャットなどを比較すると、顔を合わせた会議ほど「誰が発言したか」が重視される傾向にあると感じています。
つまり、新人の発言と課長の発言では、仮に全く同じ意見であったとしても重みが違うということです。
これは絶対に無くならないものだと思いますが、文字だけでやり取りする場合のほうが、”誰が”より意見にフォーカスしやすいです。
同じように、リモート会議でも「顔出しあり」のほうが「顔出しなし」に比べて意見より誰が発言したかに、意識が集中してしまう傾向にあると思います。
「Web会議でも誰が発言したかわかるだろ」と言われればそのとおりですが、顔を出さないことにより、意見に皆の意識が集中しやすくなると思います。
関係性を高めたいと言うのは偉い人が言い出すこと
冒頭で紹介したITmediaの記事には以下のような文がありました。
「視覚的に威厳を誇示したい」という理由などから、上位役職者ほど人を集めたがる傾向にあるのだ
これはその通りだなと思っています。
若者や下請けのようにチーム内での地位が低い人ほど、顔出しにはネガティブなイメージが有るのではないかと思います。
逆に顔を出したほうがいいという意見は、地位の高い方がおっしゃることが多いのですが、「マウントを取って気持ちよくなりたい」という考えもどこかにあるのではないかと思っています。
これは飲み会の好き嫌いというところに通じるものがあると思うのですが、実際に自分も
- 役職が上の方と飲みに行く→気乗りしない
- 後輩と飲みに行く→関係を深めるために必要
みたいな考えに至ることが多いです。
要は、自分が気持ちよく話せる場であるかが重要なのですが、それを正当化するために「関係性を深めたい」という言い訳をしているのではないかと思います。
リモート顔出しにおける「顔を出したほうが関係性が深まる」というのも同じで、ただ上位者がマウントを取りやすくするだけで、仕事の生産性には影響しないのではないかなと考えています。
内職することができる
顔を出さないことにより、他の人が発言しているときや、場が止まっている時に自分の仕事をしていることができます。
「いやいや、他の人の発言もちゃんと聞けよ」
と言われると思いますが、実際には同じチーム内の人から顧客への報告などは、あまり聞く意味がないかなと思うことが多いです。
(同じチームで働いているので、どのような報告をするのか既に知っている)
実際の会議では、どうしてもこのような隙間の無駄時間を削減できなかったのですが、顔出しなしのリモート会議であれば、自分で取捨選択することが可能になります。
当事者意識が薄れることがデメリット
「内職することができる」の裏返しになるのですが、顔を出さないことのデメリットとしては、当事者意識が薄くなるということが挙げられます。
顔を出すことで、その会議に参加しているという気持ちになるというのは確かにあるので、顔を出さないことで相対的に傍観者感が増してしまいます。
しかし、個人的に感じるデメリットはこのくらいかなあと思っています。
よく顔から感情を読み取れないとかいう意見を見るのですが、それは個人的にはメリットと感じていまして、その方が発言内容に集中できると思います。
それより個人的に「面倒くさい」という気持ちが大きいので、顔出しなしが基本になってほしいなあと思います。